広告は、ほとんどのネットショップにとって集客ツールとして確実に効果の出るプロモーションです。SEOやSNSからの集客よりも確実性があり、自由に期間やリーチを取ることで効果を把握することができます。
しかし、ネットショップの運営で一番難しいのも広告で、予算に見合う効果を得られなくなるとネットショップの経営にストレートに悪影響を与えます。
広告は通常次の順序で計画と実行が行われます。
- 予算と計画の決定
- ターゲットの規定
- 媒体の選択・予算配分
- 実施
- 効果測定
以下、4.を除くそれぞれについてポイントを説明します。
予算と計画の決定
インターネット広告の特徴は、広告を行う期間や予算を自由に決定できることと、売り上げへの効果が比較的簡単に把握できる点です。つまり費用対効果が判断基準となる点が従来のマス広告などとの大きな違いです。
広告の目的にもよりますが、一般的に年間広告費の上限は次の計算から理論上求められます。
CPO = 年間の総投下コスト ➗ 年間注文件数
LTV = 年間総利益 ➗ 年間の顧客数
ROAS = LTV ➗ CPO
ROASが1になるまでCPOを増やすことができますので、逆算から年間の総投下コスト(広告費)の上限が割り出せます。
ただ、上記の計算は既に何年もネットショップの運営を行ってきた店舗に当てはまるもので、スタートして間もないネットショップには指標を把握することができません。
そのため一般的には
- 店舗または商品の損益分岐点から予算の上限を逆算する。
- 売上予測に対する一定の割合を広告費の上限として決める。
などの方法で決めているケースが多くみられます。
フロントエンド商品の広告を継続的に行うことで、広告費の対売上比率が把握できてきます。
ターゲットの規定
購買するお客様を想定することは、広告出稿を行う上で必ず必要となります。
ターゲットを絞り込む範囲は、広過ぎると広告の無駄打ちが多くなり、狭すぎると広告チャンスを失ってしまいます。まず、適切なターゲットの設定に心がけることが大切ですが、これは経験からでないと得られません。
広告の種類により、ターゲットを絞り込むための指標は異なりますので、次のような点をあらかじめ明確にしておきます。
- 性別、年齢範囲、居住地域、職業、家族構成など
- 利用しているディバイス
- 関心のある事柄
- ネットで購買経験のある商品カテゴリー
- 検索で利用するキーワード
その他にも広告の種類により規定しておくことがいろいろあります。
そのためターゲットをできるだけリアルに想定しておくこと、一度想定したターゲット像を安易に変えないことが大切となります。